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ブレーキ鳴きの原因・メカニズム


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自動車やバイクのブレーキ鳴きの発生メカニズムと正常、異常の判断について。

■一般的なブレーキ鳴き

自動車のブレーキはディスクロター又はブレーキドラムとパッド又はライニングと呼ばれる摩擦材との摩擦力によって制動力を発生させています。

摩擦力は通常、制動力と熱に変換されますがブレーキ装置の摩擦係数は気候、温度、湿度によって変化しますので場合によっては音に変換されます。

これがいわゆる一般的に「ブレーキ鳴き」と呼ばれている現象ですが異常ではありません。

■異常時のブレーキ鳴き

ブレーキ鳴きの中でも異常なものもあります。

ディスクブレーキではブレーキパッドが無くなる前にパッドウェアインジケータと呼ばれる金属部品がディスクローターに接触させることによって故意的に金属音の異音「キーキー音」を出し交換時期を知らせる仕組みになっています。

これは一般的な自然現象によるブレーキ鳴きではなく異常を知らせる異音といえます。

完全に聞き分けるのは困難ですがブレーキング時に常時鳴いているような場合は異常である可能性が高いのですぐに点検を受けた方が安全といえます。

またブレーキパッドが完全になくなってしまうと摩擦剤であるパッド部分の裏金が直接ディスクローターに接触することによって激しい異音や「ガーガー」や「ガリガリ」といった音がしブレーキペダルにも感覚が伝わってきます。

また制動力の低下やブレーキ装置の損傷による効き不良がおき大変危険です。

■ブレーキ鳴きのメカニズム

ブレーキ鳴きはパッドとローター間で発生する摩擦力が原因となって発生する振動現象です。音=振動ということでニュアンス的に伝わりにくいとは思いますが、通常の車両で確認される「強制振動」ではなく、「自励振動」と呼ばれる特殊な現象です。

自励振動は自身の振動が自身を加速(振動励起)するため、振動すればするほどエネルギーが増大するという特徴を持っています。

分かりやすい事例

この自励振動を分かりやすく例えるとカラオケ屋などで発生した経験があるかと思いますが「ハウリング現象」が挙げられます。ハウリング現象とはスピーカーからの音がマイクに入りアンプによってマイクから入った音が増幅されてスピーカーから出力されるといったことを繰り返す現象で「ギーン」というあの大きな音です。

ブレーキ鳴きをマイクとスピーカーのハウリング減少にたとえると「ブレーキパッド=マイク」・「ディスクロータ=スピーカー」・「アンプレベル=摩擦係数(摩擦力)」の関係が成り立つかと思います。

この関係でいくと、自動車のブレーキ鳴きを直すことがメカニズム的に困難であることが容易に分かるかと思います。何せカラオケ屋でたとえるならスピーカーにマイクをくっつけた状態が自動車のブレーキ装置なのですから。発生したブレーキ鳴きを解消するのは簡単なようで意外と困難なのです。

ブレーキ鳴きを修理する余地

しかしながら完全に「カラオケ屋」のような関係が成り立つわけではなく、ブレーキ鳴きが発生する条件としては「アンプレベル=摩擦係数」が重要な要因になってきます。

ブレーキ装置に摩擦力は必須なので摩擦を発生は避けられないのですが、ブレーキ鳴きはある一定の摩擦係数でしか発生しない傾向にあり、ブレーキを操作しているときに常に鳴きが出てしまうようなケースは非常に稀です。

理論的にはアンプ=摩擦係数として考えると、摩擦係数が高い急制動時に発生するブレーキ鳴きほど大きな音になりますが「発声のしやすさ」的には発生しにくくなります

これはパッドがローターを押さえ込む力が強くなるため自励振動が起きにくいためです。鳴きが発生しやすいのは緩制動時で自励振動が起き易い摩擦係数帯というものが車両個々で存在します。

必ずしも摩擦係数が大きいほど発生しやすいというものではなく、ココに付け入る隙があるとも言えます。すなわち緩制動時の摩擦係数帯をずらす、弱いうちに減衰して自励を抑制するなどがブレーキ鳴き修理の基本になります

それでもブレーキ鳴き修理が困難である理由

それでもブレーキ鳴きが何度も再発して困っているユーザーは意外と多いはずです。それもそのはず、現在一般向けの市販車に使用されているブレーキパッドとローターの組み合わせでブレーキ鳴きを100%修理することは構造上不可能だからです。

限りなく発生させずにすることは可能ですが100%はありません。なぜなら発生周波数帯が異なる鳴きがいくつも発生する可能性があるからです。可変的に変動する摩擦係数に対してすべて対応(修理)するというのは到底不可能な話です。

DIYでの対策は一番困っているタイミング(踏み具合・発生状況)でのブレーキ鳴きに絞って修理することをお奨めします。たいていの場合はこれで解決してしまうはずです。