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ラジエーターキャップ交換時期と役割


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ラジエーターキャップの役割、交換時期と高圧力タイプの交換の必要性。

■ラジエーターキャップの役割

表現を統一してLLC、クーラント、ラジエーター液は全て同意義で冷却水と表現させていただきます。以下ラジエーターキャップの役割を簡単に3つ挙げさせていただきます。

1,冷却水の注入口の水漏れ防止

ラジエーターキャップを外して冷却水を注入するタイプでは水漏れを防止するためにゴムパッキンで冷却水の漏れを防止しています。

2,加圧によるオーバーヒート防止

エンジンの熱を吸収してラジエーターで熱を放熱する冷却水は過熱と共に膨張します。通常の圧力であれば知ってのとおり水は100度で沸騰しますが、膨張による圧力を一定まで逃がさず加圧することで冷却水の沸点を上昇させ、方熱効率を上げるのがラジエーターキャップの一番大切な役割です。

ラジエーターキャップには加圧力表示がしてあり通常は0.9~1.1㎏/c㎡に設定されており沸点温度は1.1㎏/c㎡で約125℃まで上昇します。

3,ラジエーターキャップの原理

ラジエーターキャップは加圧弁、負圧弁、水漏れ防止パッキンで構成されており、加圧弁には設定圧力まで開かないようなバネ定数を持ったバネが付いています。加圧弁の圧力を超えた場合は冷却水をリザーバータンクに逃がし冷却水路を保護するようになっています。

圧力が高く設定されているラジエーターキャップは単純にバネ力が強いというだけです。逆に負圧弁は冷却水が冷えて体積が収縮しだしたらすぐに開き、リザーバータンクから冷却水を吸い上げて冷却水路の圧力を正常化すると共に空気の混入を防ぐようになっています。

■ラジエーターキャップの交換時期

そうそう壊れるものではありませんが加圧弁のバネ力が低下しているかどうかは折れていない限り判断が困難なので定期交換がオススメです。

正直10年くらいは持ってしまうのが普通なんですが、リスク回避のために高い商品では無いので5年~7年で交換をオススメします。過剰整備は経済的に圧迫してしまいますのでラジエーターキャップの交換時期は適正に。

ラジエーターキャップを作っているメーカーでは1~3年の定期交換品としていますが、1~3年で不具合が起きてしまっては困る部品ですし、起きるとしても「万が一」以上の確率です。

ちなみに私の整備士人生で新車から5年以内のラジエーターキャップに関する不具合は、ただの一件もないです。信頼性が必要とされる部品で、構造が複雑ではないので故障は少ないです。

■ラジエーターキャップと不具合

1,ラジエーターキャップ故障時の不具合

ラジエターキャップが故障(多くの場合はバネのヘタリ)すると沸点温度が下がり100℃近くで沸騰してしまい、冷却水を吹き返してしまいオーバーヒート状態になってしまいます。

冷却水温度は通常走行でも100℃を超えるような状況はありますので、ラジエーターキャップの加圧弁が衰損すると簡単にオーバーヒート状態を引き起こしてしまいます。

したがって山道走行や高速走行などの過負荷走行時のみオーバーヒートのような状態になってしまう不具合の原因の一つにラジエーターキャップが考えられます。

本来ならば100℃ではエンジンにダメージを与えるようなオーバーヒートではないのですが冷却水が吹き返して減少することによってエンジンにダメージを与えるオーバーヒートに発展しますので無視できない不具合です。

※吹き返しとは沸騰した冷却水が勢いよくリザーバータンクに流れてリザーバータンクからオーバーフロー(こぼれる)することです。

2,ラジエーターキャップ交換のメリット、デメリット

ラジエーターキャップには市販で純正の加圧0.9~1.1㎏/c㎡を上回る1.3㎏/c㎡のものなどが販売されています。これに交換することによって冷却水の沸点を一般的に約130℃まで(加圧力によりますが)上昇させレースなどでは冷却性能の限界を上げることができます。

しかしながら設定以上の加圧をするという行為は冷却水路の破損をさせる可能性があります。実際は正常であれば1.5㎏/c㎡以上加圧しても冷却系の漏れは起こらないようになっていますが、冷却水の漏れを助長してしまう可能性は避けきれないリスクであるといえます。

特に古い車であれば装着後の過負荷走行ですぐに、にじみが発展して冷却水の漏れが起こる可能性は高くなってしまいます。

通常走行において通常加圧力を高くする必要はありませんのでリスク回避のために交換時には純正と同様の加圧力のラジエーターキャップを選ぶようにしましょう。(レース走行をメインにする方は高加圧タイプでいいと思います)